あらい胃腸科皮フ科クリニック


 皮膚科

じんましん

じんましんとは

じんましんとは、皮膚の一部に赤み「紅斑(こうはん)」や、それが膨隆した「膨疹(ぼうしん)」が強い痒みを伴って突然出現します。 一過性の皮膚の浮腫なので数時間〜半日、どんなに長引いても24時間以内に跡を残さず消えるのが特徴です。
皮膚や粘膜の深部に限局性に浮腫が生じることがあり、これをクインケ浮腫(血管性浮腫)といいます。顔面、眼瞼、口唇、舌などに好発します。 治療は抗ヒスタミン薬の内服です。

じんましんの症状

突然、境界明瞭な円形や楕円形、あるいは地図状のわずかに隆起した膨疹、発赤を生じ、激しい痒みを伴います。 全身どこにでも発生しますが、摩擦、圧迫されやすい部位に生じる傾向にあります。 粘膜、特に咽頭部に生じたときは声がかすれたり呼吸がしづらくなることがあります。この場合は緊急を要しますので、すぐに医療機関を受診してください。

じんましんの原因

じんましんは原因を確定できることは少ないとされます。 じんましんの原因・増悪・背景因子は以下の通りですが、これらの因子は単独でじんましんの原因となる以外に、複数の因子が重なって発症していることもあります。
感染(細菌、ウイルスなど)、疲労、時刻(日内変動;夕方〜明け方に増悪)、ストレス、アトピー性皮膚炎、食物中のヒスタミン(マグロ、サバなど)、 仮性アレルゲンを含む食品(豚肉、タケノコ、もち、香辛料など)、薬剤、膠原病および類縁疾患など。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は生後2−3ヶ月頃より発疹がでます。顔から始まり、徐々に体、手足、肘、膝などに広がって、慢性・反復性の経過をとります。 年齢があがるとともに軽快することが多いのですが、最近では大人になっても治らない例や再燃する例があります。
患者さんの多くがアトピー素因(家族や本人に気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎がある)をもっています。 治療は保湿剤、ステロイド剤、タクロリムスの外用、抗ヒスタミン剤の内服などです。ステロイド剤には様々な強さがありますので、患者様の皮膚の状態に合った強さを選択いたします。

アトピー性皮膚炎の症状

乳幼児期(2ヶ月〜4歳)

口囲、頬部に赤みの強い丘疹(ブツブツ)、紅斑(赤み)。浸出液を伴ったジクジクした発疹。体幹・四肢にも赤みの強い発疹。

小児期(〜思春期)

発疹は全体的に乾燥性となり、細かい鱗屑(カサカサ)を認め、鳥肌様に毛穴が目立ちます。発疹は頚部や四肢屈曲部に多く認めます。

成人期(思春期以降)

発疹は上半身に強い傾向を示します。手湿疹もみられるようになります。

アトピー性皮膚炎の悪化原因

アトピー性皮膚炎の病態は完全には解明されていません。アレルギー的要因とドライスキンによる非アレルギー的要因に大別されます。 ドライスキンは表皮の角質細胞間脂質、水分量の低下が主な原因ですが、特に脂質としてセラミドの減少が提唱されています。 小児の場合は物理的刺激に弱く、皮脂膜の形成が未熟であることも原因となります。

とびひ

とびひ(伝染性膿痂疹)とは

とびひの正式病名は「伝染性膿痂疹」です。 細菌感染した病変部をひっかくことにより赤みやジクジクが次々に広がっていくため「とびひ(飛び火)」とよばれています。 春〜夏期における小児の代表的な細菌感染症で、多くは6歳以下で平均年齢は3歳半といわれます。
近年は冷暖房の普及や環境の変化から、秋〜冬期の罹患もみられます。成人にとびひが発症することは稀です。 治療は抗菌薬の外用・内服です。必要時には細菌の培養検査も行います。

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状

水疱性膿痂疹

小さな傷、虫さされ、湿疹などを掻爬することによって細菌感染(主に黄色ブドウ球菌)がおこり、それが表皮剥離毒素を産生するため水ぶくれを生じます。 水ぶくれはすぐに破れて、薄いかさぶたが付着するびらん面(ジクジク)となります。びらん面には多数の黄色ブドウ球菌がいるため、接触によって拡散します。

痂皮性膿痂疹

とびひには黄色ブドウ球菌が原因菌となる水疱性膿痂疹と、A群β溶血性連鎖球菌が原因菌となる痂皮性膿痂疹の2種類があります。 一般的にみられるのは前者で前述のような症状を示します。後者の場合は水ぶくれの形成は少なく、小さな赤みから始まり、膿疱、黄色調のかさぶたができます。 一気に多発して、発熱やリンパ節が腫脹を認めます。季節・年齢は関係なく、アトピー性皮膚炎患者で増加しているといわれます。

とびひ(伝染性膿痂疹)の原因

とびひは正式には「伝染性膿痴疹」と言い、原因は虫刺されやケガでできた傷、アトピー性皮膚炎などをかきむしったところに、 黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌といった細菌がついて、傷口を化膿させます。最初は、ウミを持った水ぶくれができ、すぐにつぶれて汁が出てきます。 かゆみが強く、傷口を触った手でほかの部分をかくと手についていた菌が次々と広がっていき、感染力が強いため、本人だけでなく兄弟や周りの人に感染します。

ニキビ

にきびとは

思春期にできることの多い吹き出物の一種がにきびです。 思春期になると、男性ホルモンの働きが活発化する影響で、皮脂分泌も多くなり、毛穴に皮脂や汚れがたまりやすく、細菌が増殖し、ニキビの原因となります。 主に顔にできることが多いのですが、大人になると背中にできることもあります。
また、近年は20〜30歳代の女性を中心に、頬や口の周囲、あごなど、皮脂分泌の少ない部分にも周期的に発生する大人のニキビが肌に関する悩みとなっている。
その原因はアクネ菌の過剰な繁殖によるものと考えられており、過剰な皮脂が分泌されて毛穴が塞がれてしまうと、毛穴の中でアクネ菌が繁殖していくのです。 ひどくなると、皮膚組織を破壊し痕になってしまうことがあるので、極力触らないように素肌を清潔にして予防しましょう。

にきびの症状

思春期頃からで着始めることで有名なにきびは、主に皮膚の油分の出過ぎから発症してしまいます。 皮膚にぷっくりと赤い腫れ物が出来ます。たいてい半径2ミリメートルほどのもので、中に脂肪を含んでいます。 その脂肪を含んだ炎症はひどい時には痛みも伴います。皮膚を清潔にすることが重要ですが、食生活起因の場合たくさんできてしまう場合もあります。 症状は個体差がありますが、一様に脂肪を含んでいることが特徴です。

にきびの原因

にきびの原因は様々で、ホルモンバランスの乱れ、内臓障害などの内面的なもの、 外的刺激による外面的なもの、さらにストレス過多などの精神面が原因の場合もあります。 不規則な生活をしていると、ホルモンバランスが急激に崩れて肌の健康に悪影響を与えます。 そして肌の免疫機能が低下して発症します。塩分や油分が多い偏った栄養バランスの食事を続けていると、肌に栄養分が行き渡らなくなって発症します。 睡眠不足によって発症をすることもあります。

フケ症

ふけ症とは

フケとは頭皮の新陳代謝により、不要な角質細胞が角質片となり剥がれ落ちる生理的なものです。 しかし、何らかの原因で剥がれ落ちる量が増え、フケが目立ちはじめると、それを「フケ症」と呼びます。
頭皮は重曹扁平(じゅうそうへんぺい)上皮というものにおおわれており、それがはがれフケとして落ちます。新陳代謝によってフケが落ちることが一般的です。
その原因は様々ですが、大きく乾燥型と脂漏型の二種類に分けることができます。 最も頻繁にみられる原因は、頭皮の乾燥であるといわれています。 それ以外の原因としては、頭皮の洗いすぎや、逆に頭皮を不潔な環境によるものなどが考えられます。 このフケ症は体質的に皮脂分泌が多い人に多く見られ、多くは、「脂漏性皮膚炎」の軽いもの、または、「脂漏性皮膚炎」の前段階と考えられています。 強い炎症を伴うようなケースもありますので、その原因に応じた治療が必要になります。

ふけ症の症状

ふけ(頭皮の角質がはがれ落ちてきたもの)は人間なら少なからず発生するものですが、それが異常に多く出てくる症状を「ふけ症」と言います。 成人男性に多く、正式には「頭部批糠疹」と呼ばれます。主に2タイプに分けられ、乾いたふけがパラパラ落ちるのが「乾燥型」です。 一方べとべとしたふけが爪にはさまるように取れるのが「脂漏(しろう)型」です。

ふけ症の原因

ふけ症の原因には様々なものがありますが、意外なものとしてシャンプーが挙げられます。 シャンプーには、相性があり、本来シャンプーは頭皮を清潔に保つためのものですが、含まれている成分と頭皮の相性が悪いと逆に痛めてしまうのです。 これは化粧品やリンスなどにも当てはまります。また、生活習慣の乱れやストレスを感じていることにより引き起こされることもあります。

水虫

みずむしとは

みずむしとは、カビ(真菌)の一種である皮膚糸状菌(白癬菌)が皮膚の角質層に寄生して起きる感染症です。 足に感染すれば足白癬(いわゆる水虫)、爪なら爪白癬、手なら手白癬、同様に股部白癬(俗称:いんきんたむし)、体部白癬(俗称:たむし)となります。
近年では、レスリングや柔道など身体接触の多いスポーツをする人の間で集団感染が流行しています。頭部や体部に皮疹を生じることが多いです。 診断は直接検鏡です。病変部のカサカサや水ぶくれを採取し、顕微鏡でカビがいるかどうかを調べます。(市販の水虫薬を外用していると、検査しても菌が見つかりません。ご注意ください) 治療は抗真菌薬になります。

みずむしの症状

足水虫の場合、趾間型(カサカサ、ジクジク)・小水疱型(水ぶくれ、痒み)・角質増殖型(ガサガサ)があります。水ぶくれからはほぼ100%の確率でカビが見つかります。 爪水虫の場合は、爪の肥厚、混濁、変色(黄白色から灰色)です。基本的に痛みや痒みは伴いません。 体部・股部などでは、円形〜半円形の紅斑で中心治癒傾向があります。辺縁の赤み、カサカサの強いところからカビが検出されます。

みずむしの原因

カビが皮膚に付着し繁殖することで生じます。 付着する状況としては、お風呂の足拭きマットが怪しいといわれています。 家庭内では水虫の人はマットを個人持ちにするといいでしょう。 温泉、職場、スポーツジムなどでは、帰宅してからもう一度足を洗うようにするといいでしょう。 また、糖尿病など免疫不全の状態の人は感染に弱くなります。常日頃からフットケアを心がけましょう。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスとは

唇や口のまわりに小さな水ぶくれができる病気です。 これは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)による皮膚・粘膜の感染症です。感染は接触によって起こります。 従来わが国ではHSV-1感染者が多く、乳幼児期に親などからの口移しによって唾液中に排泄されたHSV−1に感染(初感染)するためです。
初感染の90%が不顕性感染(感染しても症状がでない)に終わります。知覚神経節に住み着いたウイルスは、疲労やストレスなどをきっかけに再活性化して皮膚・粘膜に症状を出します。 治療は抗ウイルス薬の内服・外用です。

口唇ヘルペスの症状

軽い痛みや違和感が先行し、1〜2日後から口唇や口腔粘膜に赤みが出現します。その後小水疱ができ、潰れてかさぶたとなり約1週間で治っていきます。

口唇ヘルペスの原因

単純ヘルペスウイルスが感冒、疲労、ストレス、日光暴露などの要因によって再活性化されることで症状がでます。 こういった誘因をさけるようにする必要があります。また水疱、びらん面にはウイルスが沢山います。 直接触れることで感染するのでできるだけ感染病変を拡大させないことが重要です。 できるだけ早期に受診していただき治療までの短縮をはかるとともに、他への感染を防ぐ必要があります。

イボ

いぼとは

イボとは皮膚から盛り上がっている小さなできもの(突起物)のことで、疣贅(ゆうぜい)といいます。イボの種類はいろいろですが、ここでは以下の2つについて触れます。

伝染性軟属腫は幼児に多くみられます。伝染性軟属腫ウイルスの経皮感染によっておこり、プールで感染することが多いと言われています。 痒みを伴うことがあるので、掻いたところに湿疹ができそれを更に掻くことによって次々に軟属腫が増えていきます。

尋常性疣贅はヒト乳頭腫ウイルスの感染症で、こちらも経皮感染です。手足に硬い小さな突起としてみられます。小児に多いですが成人でもみられます。 魚の目として削って経過をみている人が多く、そのうち大きくなり他に移って数が増えて初めて受診することが多いようです。

いぼの症状

伝染性軟属腫:小さいものだと0.5ミリ大、通常は2ミリ程度で、大きいものだと5ミリ程になります。表面は白く光り、ぷくっとふくれています。 大きいものになると中央がへこんでいます。つまむと中から白い半透明の塊が出ますが、これが感染の原因になります。

尋常性疣贅:子供や大人の手足に表面がガサガサした小さな結節ができます。小さいものだと表面がつるつるして光っているものもあります。 大きくなると岩状にごつごつと硬くなり、イボの先端部には赤い点々(血管が透けて見える)を確認できることがあります。

いぼの原因

伝染性軟属腫:ウイルスの経皮感染です。 感染の予防には皮膚のバリア機能を正常に保ことが大切になります。アトピー性皮膚炎がある場合は皮膚炎のコントロールが重要です。 時間はかかりますが自然治癒するといわれます。しかし、増加した場合に放置しておいてよいかどうかは疑問です。 当院ではご希望の方には麻酔テープを貼っていただいた上での摘除を行っています。

尋常性疣贅:こちらも同様で、経皮感染です。自分でいじったり削ったりすると他に感染する原因となります。治療は液体窒療法が主流です。 イボに対する免疫をあげるための漢方薬も処方します。治るまでの期間は数週〜数ヶ月、数年と個人差があります。

巻き爪・陥入爪

巻き爪・陥入爪とは

巻き爪、陥入爪とは、爪の変形によって爪の端が足趾の皮膚に食い込んだ状態のことをいいます。 足の親指に発生することが多く、女性の場合はつま先の狭い靴やハイヒールを履くことによって爪が彎曲していき、最終的には皮膚に爪が食い込んで激しい痛みを伴うようになります。 当クリニックでは、テーピング法、ワイヤー法を行っています。 症状が進行してしまっている場合には外科手術が必要となります(他院にご紹介となります)。

巻き爪・陥入爪の症状

親指の爪に生じることが多く、爪が横方向に曲がっている(文字通り巻いている)状態をいいます。巻きが強ければ痛みを伴います。 爪の角がトゲのように刺さって炎症を起こした状態を陥入爪といいます。傷を中心に赤く腫れて、一部が豆状に盛り上がることがあります。 これを「肉芽(ニクゲ)」といいます。ちょっと触ると出血し、徐々に大きくなってきます。悪化する前に受診するようにしましょう。

巻き爪・陥入爪の原因

原因は様々です。つま先の細い靴を日常的に履く、ヒール靴を履く、靴が大きすぎる、小さすぎる、深爪(爪を頻繁に切りすぎる)、 強い衝撃(重いものを落とす)を受けた、スポーツで大きな衝撃を受けた、高齢や寝たきりの状態(足趾の腹に圧がかからなくなることで爪が巻いてくる)など。

ワイヤー法:1本5,000円(税込み5,250円)

形状記憶ワイヤーを用いて、爪の端の巻きを矯正する方法です。

1ヶ月〜2ヶ月留置します。施術するにあたり、爪にワイヤーを挿入するための穴をあけるので、十分な爪の長さが必要となります。爪は切らずに受診してください。

やけど

やけどとは

やけどとは熱湯、蒸気、熱した油、アイロン、火など熱いものに皮膚が触れることにより皮膚が損傷された状態です(温熱熱傷)。 酸やアルカリなどの化学薬品によるものもあります(化学熱傷)。人間の皮膚は45℃の温度以上で熱傷になります。45℃では1時間、70℃では1秒で損傷が始まります。 熱傷の深さは以下の3つに分類されます。

Ⅰ度のやけど

皮膚がヒリヒリ赤くなる程度のやけどです。跡を残すことなく治ります。

Ⅱ度のやけど

皮膚に水疱(水ぶくれ)を生じたらⅡ度です。Ⅱ度でも「浅い」「深い」があります。「深い」のは真皮深層まで損傷されますので跡が残ることがあります。

Ⅲ度のやけど

真皮全層、またはそれ以上で損傷された状態です。皮膚はなめし革状で白色、痛みはほとんど感じません。植皮術が必要になります。

やけどの症状

受傷部位に痛みを伴う赤み(紅斑)、水ぶくれ(水疱)、赤むけ(皮膚びらん)を形成します。びらん部に細菌が感染すると深度が深くなります。 これらの症状は日々変化しますので、定期的に処置に通われることをお勧めいたします。

やけどの原因

やけどをする原因は様々だと思いますが、共通して言えることは、すぐに流水で冷やすことです。 15〜20分程度水道水で冷やした後、創部は清潔なガーゼなどで保護し医療機関を受診してください。 アロエや民間薬などは塗らないようにします。 また、受傷面積が大きい場合は入院適応となります。場合によっては救急車要請をお願いいたします。


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